松本興産の挑戦 CHALLENGE
不可能を削り抜いた先に
新たな未来が待っている
わたしたちはこれまで実現不可能とも思われる難度の形状や品質の金属加工に果敢にチャレンジし、それらをクリアするごとに、その先につながる扉を開いてきました。
01.
業界 のために
かつては国内の家電用部品を製造していた松本興産が、世界の自動車業界に参入したのは今から約20年前。当時のフランスではエコへの意識が高まり、車のエンジンサイズを小型化し、燃費を向上させる計画が進められていました。部品生産は現地で行うのが最も効率的ですが、エコなエンジンで必要とされる部品は複雑で、高い精度が求められます。現地の企業では基準をクリアできないとなって、白羽の矢が立ったのがフランスで営業活動を行っていた当社でした。
リクエストされたのは、当時の技術では不可能ともいえるほど高難度の部品。しかし、私たちは決して諦めませんでした。複雑な形状やミクロン単位の誤差と戦いながら試行錯誤を重ね、ついに2年の歳月をかけてすべての要望を叶える製品を完成させたのです。それはまさに当社の理念である「不可能を削り抜け」が体現された瞬間でした。以降、フランス国内はもちろん、日本の自動車業界においても「難しい部品でも松本興産なら解決してくれる」と一目を置かれる存在へとなっていったのです。
02.
削り抜く先にある
お客様との信頼関係
松本興産の行動指針の一つに、「誰もが逃げ出す難しいことを選べ」というものがあります。かつて車の燃費向上に欠かせないEGRシステムの部品を加工したことがありました。その部品はお客様の工場では「曲げ」の問題で工数が膨らんでしまい、納期が間に合わないと、弊社に舞い込んできた依頼でした。当社であれば納期までに簡単にできると引き受けましたが、いざフタを開けてみると想像もしなかった状況が待っていました。
真っ直ぐ加工しなくてはいけないのに、なぜかとんでもなく曲がってしまうのです。予想外の事態に焦り、知恵を振り絞って、さまざまな方法を試してみるスタッフ。しかし、どれも上手くいかないまま、無情にもスケジュールだけが迫っていました。それでも諦めないのが、私たち松本興産です。「誰もが逃げ出す難しいことを選べ」という行動指針のもとに選択したのは、常識を覆す加工へのトライ。その結果、納期直前に真っ直ぐな加工に成功! お客様のために諦めず、いつでも万全を尽くす。それこそがお客様との信頼関係を築き、当社にとっても新たなステージに進む原動力になっています。
03.
削り抜くことで
深まる絆と高まる力
2016年に出会ったトランスミッションの制御バルブをつくっている会社とは、こんなエピソードがありました。そこが扱っているのは難易度が最上位クラスの製品。私たちも一緒に仕事することで新しい加工技術を学べるとやる気に満ちていました。しかし、受注の直前になって先方が自前で造ることを選択し、当社が関わることがなくなってしまったのです。
ところが3年後、なんと、その会社から突然「助けてほしい」と電話が!聞くと、数十億もの設備投資を行い、人員もつぎ込んだにも関わらず、部品の難度が高すぎて手に負えず、このままだと納期に間に合わないとのこと。一度は断られたものの、なんとか手助けできればと引き受けましたが、難度は超Sクラス、納期までの時間もありませんでした。しかし、不可能を削り抜くのが私たち松本興産です。そのときはまさに全社員がワンチームとなって昼夜を問わずに奮闘。おかげでお客様の窮地を救うことができました。当社ではこうしたチャレンジの一つ一つが、お客様との関係を深め、さらには社内の絆を強くし、他にはない唯一無二の技術力への向上へとつながっているのです。